YellowCat たろうに聞いた!!

君の胸で香箱座りをしていたあの頃、僕はただ咽を鳴らしていただけではなかった。この世界の意味を、ずっと考えていた。アスファルトの焼ける匂い、彼岸花が咲いた用水路、速度超過した黒いクラウン、僕の毛が付いたブレザー。君が知っていたものも、知らなかったものも、ずっと見てきた。そして、考えてきた。君が生きるこの世界の意味を。その答えを、ここに、示したいと思う。

私が4年間の勤務で得た唯一誇れるもの

 辞意を伝えた。それ以外に、私に何ができただろうか。ここに残ることが、組織にとって、ともに働く仲間にとって、そして私にとって本当の意味で良いことなのだろうか。正直、今の私には、わからない。ただ、もう、あそこで働く私自身が、私には想像できなくなってしまった。職を辞す、たったそれだけのことに、それ以外の理由が必要だろうか。

 4年間在籍していたが、休職期間もあり、実質的に業務に就いたのは一年半ほどだろうか。それでも、同期の1人は、私の辞意に讃しなかった。彼は優秀な上、人格者で、数少ない職場で尊敬に値する人物の1人だが、その彼が私に辞すな、と言ったのだ。

 これ以上の賛辞はない。これを受け、私は益々辞意を固めた。4年間で、彼に、このような言葉を言わせることができた。それだけで、私は、多くの苦難を受けた甲斐があったのかもしれない。ともあれ、悔いなく、次へ進めると感じた。

 一生忘れないであろう永久の価値を持つ一言であった。とても、ながい、4年間であった。